モンスターを描こう!:モンスターの描き方・考え方講座

モンスターデザインの出発点

4:生態から考える

突っ込んだ考え方として、モンスターの生態を決めることで デザインを絞り込んでいくという方法もあります。 モンスターを取り巻く世界観まで考えることになるので、なかなか奥が深い考え方です。
(2014⁄5⁄3、具体例は後で追加予定)

1.住んでいる場所

まずはモンスターがどんな場所に住んでいるかを決めましょう。 周辺環境のイメージから考えれば、どんな外見にするかをグッと絞りやすくなります。

参考までに、環境とそのイメージに合う特徴の一例を挙げておきます。

場所イメージ特徴の例
草原開けた場所のため足の速さを生かせる。
比較的大型の草食動物と強力な捕食者がいる環境
長い足、角、大きな体
広大な領域。
浮力があるので巨大な生物でも生活できる
ヒレ、エラ、流線型の体
森林身を隠すところが豊富。
樹上を移動したり、草木に紛れる能力が役立つ
長い腕、植物に似た外見
砂漠暑く水と食料に乏しい。足場が不安定コブ
雪原寒さが厳しく食料が少ない。
また、周りが白一色なので体色が違うと目立つ。
毛皮、皮下脂肪
洞窟光が届かず視覚が役に立たない。
食料も限られている
発達した耳、触角
障害物がなく高速で移動しやすい。翼、流線型の体
宇宙極限環境。
無重力であるほか、生体に有害な光線が飛び交う。
実在生物なし。ご自由に

2.食べ物

モンスターは生物ですから、まあ何かを食べるだろうという前提で
その食料となるものが何なのかを考えてみましょう。
(もちろん、何も食べないという選択肢もありです)

まずは、考えているモンスターの食料が「動くかどうか」を決めると良いです。
食料が動く場合はその獲物を捕らえ、その肉を引き裂けるようにする必要があるでしょうし、
動かない食料ならまた別の特徴を考えることになるでしょう。
それぞれの具体的な例としては次のような特徴が挙げられます。

食べ物が動く場合(肉食)

  • 獲物を仕留めるための爪や牙、発達したアゴ
  • 獲物に気付かれないような体色

食べ物が動かない場合(草食など)

  • 硬い食物を砕くための歯
  • 敵から身を守るための角や堅い皮
  • 敵を察知するための目・耳

ちなみに、わざわざカッコのなかに「草食など」と書いたのは「動かない食料≠植物」だからです。
モンスターですから鉱物を食べるとか、そういう発想をするとユニークさが出ると思います。
このように想像力を働かせていろいろ考えてみると面白いです。

3.天敵・獲物

少し大変ですが天敵や獲物も想定してみると説得力が増します。
デザインを考える時に「こんな感じの天敵(獲物)がいそうだな」と仮定するだけでもOKですし、
実際に相互関係を持つモンスターを作るとなお良いでしょう。
その場合はまずどちらか一方の役割を持つモンスターを作っておき、
それを踏まえてもう一方のモンスターを考えると良いです。

以上、生態から考える方法でした。色々考えることがあって難しかったでしょうか。
この方法をメインで使うことはあまりないと思いますが、イラスト等に世界観を持たせたいときには有効です。

次は形状からモンスターを考えてみましょう。