モンスターを描こう!:モンスターの描き方・考え方講座

モンスターデザインの出発点2:質感の印象からモンスターを考える

お次は「硬い」「熱い」といった質感からモンスターを創作してみましょう。
こちらは前回よりも抽象性が高いので、ご自分の感覚を元に自由に考えてください。
以下は私なりの感覚から考えたものを例にしてご説明します。(2014⁄5⁄3)

1-1.硬いモンスター

まずは「かたさ」のうちカッチカチなヤツです。
殴ったらこちらが怪我をしそうな特徴を考えて盛り込むと良いでしょう。
具体的な特徴は次のとおり。

硬そうなモンスターの特徴の例

  • 全体的に角ばったデザイン
  • 金属や岩石でできている
  • ウロコや甲羅がある

例としては何度も出てきているゴーレムが最適ですが、
もう見飽きてしまったと思いますので新しいモンスターを考えてみました。
硬そうなモンスターの例:鉄パンダ
鉄板で出来たパンダです。鉄板焼きなら俺に任せろ!

1-2.やわらかいモンスター

「ぽよよん」で「ぷにぷに」、あるいは「どろどろ」で「ぐにゃぐにゃ」な奴らですね。
考え方次第でかわいいイメージも気持ち悪いイメージも表現できます。

やわらかそうなモンスターの特徴の例

  • 全体的に丸みを帯びたデザイン
  • 液体や半固体の体を持つ

こちらもStage1のスライムが分かりやすい例です。
他のデザイン例としては次のようなものを考えました。
やわらかそうなモンスターの例:泥ゴーレム
泥でできたモンスターです。
捨てられた空き缶やタイヤ等をデザインのアクセントにしました。

3-1.熱いモンスター

基本は炎のイメージです。
どうせなら火傷では済まないような熱さを形にしてみると良いでしょう。
そのほか闘志みなぎるむさくるしいモンスターとかも考えると面白いです。

熱そうなモンスターの特徴の例

  • 炎や熱気をまとっている
  • 火や煙を吐いている
  • 溶岩でできている
  • 全体的に赤や黄色の色彩

「熱=炎」というイメージがはっきりしているので考えやすいと思います。
例としてこんなのをデザインしてみました。
熱そうなモンスターの例:チャッカ魔神
チャッ○マンに宿る炎の精霊。
火遊びする悪ガキには燃料が切れるまで説教します。

なおこの例はモノクロですが、カラーイラストだと熱さを表現しやすいです。

2-2.冷たいモンスター

こちらは雪とか氷とかがイメージの軸です。
上と違い極寒の環境で生きている生物は多いので、そういったものを素材にするのもありです。

冷たそうなモンスターの特徴の例

  • 雪や氷でできている
  • 体からツララを下げている
  • 青や白っぽい色彩

雪や氷は質感の違いを上手く出せるとそれっぽくなります。
質感の表現はなかなか難しく、私もまだまだ勉強中です。
冷たそうなモンスターの例
カチカチに凍ったカタツムリっぽいモンスターですね。
背中のタンクには液体窒素が入ってます。

3-1.重たいモンスター

ズッシリとした印象を表現するためには体積、密度、重心を意識しましょう。
重たいイメージは先述の「硬そう」なイメージや「強そう」なイメージとの相性が良いです。

重たそうなモンスターの特徴の例

  • 巨大な体を持つ(=体積が大きい)
  • 体に対して足が短い(=重心が低い)
  • 金属や岩などの物質で構成される(=密度が高い)

1番目のスケール感は、比較対象をつけるなど一工夫しないと表現しづらいです。
ここでは比較対象を無理矢理デザインに盛り込んだ例を挙げておきます。
重たそうなモンスターの例:移動都市ベヒモス
都市を丸ごと背中に乗せた巨大モンスター。
動くたびに揺れるやら、食費が馬鹿にならないやらで現実的ではなさそう。

3-2.軽いモンスター

イメージとしては身軽そう、あるいは風が吹いたら飛んでいきそうな感じですね。
身軽そうなものについては「素早い」イメージとの相性が良いです。

軽そうなモンスターの特徴の例

  • 体が小さい
  • ひょろっとした細身のデザイン
  • 雲や羽毛などでふわっとしている

小鳥や昆虫などの小動物や、植物の種子が参考になります。
例えばこんなモンスターはどうでしょうか。
軽そうなモンスターの例:ケサランパサラン
タンポポのふわふわみたいなやつです。
風に乗って飛びます。もふもふ♪

というわけで、質感からスタートする場合の具体例でした。
次はモンスターの性格からデザインを考えます。