Stage3の「モンスターのイラストを描いてみよう」ではデジタルで塗る描き方をご紹介していますが、この講座をご覧になっている方の中には「そもそもアナログでしか描いたことがない」「デジタルはWindowsのペイントにマウスで描いたことがあるくらい」という方もいらっしゃると思います。そこで、ごく簡単ではありますがデジタルでの作画に関する基礎知識をまとめておきます。
まず、アナログと比較したときの利点欠点は次のとおりです。
こうして列挙すると、別にデジタルだからアナログよりも優れている、とかは全然ありません。どっちも一長一短です。それぞれの利点欠点をちゃんと把握し、自分の好みや目的に合ったほうを選べばよいと思います。
デジタルイラストを描くためには初期投資が必要です。始めるにあたって必要なものは次のとおり。
1と4については割愛するとして、まずはペンタブが必要になります。ペンタブは形がまんまペンなのでマウスとは比べ物にならないほど絵を描きやすく、また筆圧を感知してくれる機能があるので便利です。
もう一つはペイントソフトです。まあ、わざわざ用意しなくてもWindowsのペイントでもこのくらいの絵は描けます。ただ、やっぱり不便なのでもっと高性能なソフトは用意しておきたいところです。
ただし注意点として、フリーソフトはあまりお勧めしません。頑張り次第ではそこそこ描けるものが多いとはいえ、無料のペイントソフトというのは概して不便なものです。ちょっとお金を出せば格段に便利なソフトが手に入りますので、せっかくデジタルで描くならそういうソフトを使うほうがいいと思います。
個人的な意見ですが、次のようなポイントで選んでいます。
まず、タブレットは無駄な機能がないほうが扱いやすくお財布にも優しいです。そこそこ筆圧の感度があり、頑丈であれば正直何でも構いません。細かい作業はソフト側でいくらでもカバーできるので、タブレットよりもソフトにお金をかけたほうが割に合うと思います。
一方、ソフトのほうはお値段も機能もピンきりで、どういう絵を描きたいかにもよるので一概には言えません。しかし断言できるのは「ソフトでケチらないほうがいい」ということです。なぜなら高性能なソフトでは一瞬でできることが、しょぼいソフトだといくら頑張ってもできないことが多いからです。これでは、便利さというデジタルで絵を描くことの最大のメリットが薄れてしまいます。イラスト専用であれば6000円くらいでかなり高性能なソフトを入手できますので、もっていなければ思い切って買いましょう。
ちなみに、超高性能なPhotoshopとかPainterは普通に買おうと思うと目玉が飛び出るほど高価ですが、学生であれば学割を利用する手もあります。私の場合はそれでPhotoshopをかなり安く購入しました(それでも3万くらいしましたが…)。お高いソフトは10年くらい余裕で使えるらしいので、本気で長年取り組むつもりならむしろお得です。
よく使う用語について、だいたいこんなもんかな、程度にザックリまとめました。厳密な定義や仕組みを詳しく知りたい方は適宜ググってください。
Stage3のほうを見ていただければよく分かると思いますが、一般的な(と思われる)作画の流れは次のような感じになります。
パッと見アナログとそれほど変わりません。途中でソフトの操作が色々入るくらいで、基本は同じです。
最後に、デジタルで絵を描くときにやっておくといいことを書いておきます。
なにも絵に限ったことではありませんが、パソコンなりゲームなりのデータはちょっとしたことでパーになります。あとで泣かないようにするためにもセーブはこまめに。あとは書いている最中と描き終わった後に、絵を客観的にチェックする癖をつけるとレベルアップしやすくなると思います。