モンスターを描こう!:モンスターの描き方・考え方講座

モンスターデザインに役立つ本(資料編)

技法編に続いて、このページではモンスターデザインに役立つ資料用の本(主に図鑑)を紹介しておきます。(私が新しいのを買ったら更新します)

参考資料の選び方

さて、本の紹介の前に個人的な「良い資料になる図鑑」の選び方を書いておきます。資料を集めだすと何冊か欲しくなると思いますので、ネットで即座にポチるのもいいのですが本屋さんで現物を見て厳選するのが一番でしょう。次の点を資料探しの参考にしてみてください。

資料の選び方のポイント

どうせ買うなら「分かりやすい」「ネットにない情報がある」の2点が充実しているのが良いです。具体的には以下のとおり。

  • 被写体が単色の背景で撮影されているもの。
    これはすごく需要なポイントです。邪魔な背景がないほうが本来の輪郭や色がはっきりしてわかりやすいです。またネットの画像だとこういうのが少ないので、相対的に図鑑を買う価値が上がります。
  • 生物の体の構造や生態の説明があるもの。
    まず構造が分からないと応用が利かないので、ある程度記載のあるものがベストです。生態については専門の図鑑なら大丈夫ですが、ポケットタイプの識別図鑑だと書かれていないこともありますので注意。
  • 複数の角度から見た写真があるもの。
    スペースの都合上、こういう本は貴重ですがあれば効果大です。側面以外にも正面・背面・腹面のどれかが載っていれば心強いですね。

それでは以下、本の紹介です。

「日本の昆虫1400」(全2巻)

種類日本に棲む昆虫の図鑑
特徴 良い点
  • 上下巻合わせて1400種類の昆虫が収録されている。昆虫系モンスターのデザインに使う資料としては十分すぎる豊富さ。
  • 写真は白背景なので色や輪郭がわかりやすい。
  • 識別のポイントを示したイラストが各種の特徴をよく表しており、意外にもデザインの参考になる。
  • ポケット図鑑なのでとてもコンパクト。
注意点
  • 生態についてはごく簡単にしか紹介されていない。

昆虫モンスターのデザイン資料に重宝している本です。写真が分かりやすくてコンパクト、しかも2冊買っても2000円ちょいなのでコスパはトップレベル。あと、色々な昆虫を網羅しているので「日本にはこんな虫がいたのか!」とびっくりすること間違いなしです。

「ワシタカ・ハヤブサ識別図鑑」

種類日本で見られる猛禽類の図鑑
特徴 良い点
  • とにかく写真が素晴らしく、鮮明でわかりやすく構図も良い。
  • 写真の枚数も豊富で、1種につき飛んでいる姿や止まっている姿が合計10枚以上掲載されている。
  • 識別図鑑なのでコンパクト。必要な情報がうまくまとまっている。
注意点
  • とくになし。

鳥系モンスターのネタに最適な猛禽類を専門に扱った図鑑です。写真が素晴らしく、コンパクトで邪魔にならず、しかも2000円台というコスパ最強の本。参考資料としては今まで見た鳥類図鑑の中でもぶっちぎりの良書だと思います。

「きらめく甲虫」

種類キラキラした甲虫の専門図鑑
特徴 良い点
  • 派手な色の甲虫だけを扱っているのが面白い。珍しい配色や模様はデザインの参考になる。
  • 写真が大きめで見やすい。また、白背景なので甲虫の輪郭や色合いがわかりやすい。
注意点
  • 「きらめき」に焦点を当てている本なので、生態などに関する説明はあまりない。

キラキラした甲虫だけを集めた珍しいタイプの本。きらめき具合が良く伝わってくる写真は「美しい」の一言で、参考資料としても良質です。個人的にはこれまで見たことがないような派手な模様や配色が新鮮で、色彩がらみのデザインの参考になると感じました。

「くらべてわかるきのこ」

種類原寸大のキノコ図鑑
特徴 良い点
  • 写真が白背景でわかりやすい。また、ほとんどの種類に傘の上と下から見た写真か断面の写真が載っている。
  • 冒頭の「見分けのツボ」で色々なキノコの外見的特徴が一覧できるのが良い。
  • 原寸大なので実際の大きさが良くわかる。
  • 写真だけではわからない質感の説明もあり参考になる。
注意点
  • とくになし。

キノコの形状を良く知りたい思って最近買った本です。参考資料という観点から見ると、数あるキノコ図鑑の中でも無類のわかりやすさを誇る一冊だと思います。写真も見やすく、特徴をよくとらえており大きさも把握しやすいのがグッド。

「深海生物ファイル」

種類深海生物についての本
特徴 良い点
  • 深海生物の特徴や生態が良くまとまっている。
  • 筆者のイラストが分かりやすい。
注意点
  • 図鑑ではないので注意。
  • 写真は不鮮明なのであまり期待しないほうが良い。
  • 10年以上前の本なのでやや古い情報もある。

見た目からしてモンスターな深海生物を扱った本です。写真が豊富なほかイラスト付きの解説文も充実しており、図鑑と読み物のちょうど中間という感じでしょうか。数ある深海生物の本の中ではかなり濃い内容で、各生物の生態等について良くまとまっていると思います。

「体によく効く旬の食材 魚の本」

種類魚介類の食べ方(+α)の本
特徴 良い点
  • 魚が白背景で写っていてわかりやすい(魚本は水中写真が多いので)。
  • 幅広い情報がコンパクトにまとまっている。
  • 料理好きな人ならまさに一石二鳥。
注意点
  • 図鑑に近い内容だが、厳密には違うので注意。
  • 主要な魚以外の写真はやや小さめ。
  • 写真以外は文字びっしりなので読みごたえがあるが、その分文字が小さくて読みづらい。

どちらかというと「魚介類の食べ方」の本なのですが、侮るなかれ生物学的な情報もよくまとまっているダークホース的な本。魚の生態・栄養素・旬・漁獲方法・レシピなど幅広い情報が網羅されており、総合的な情報量としてはその辺のポケット図鑑よりも充実しています。写真も「食材」という観点のためか水揚げ後の魚が白背景で写されており、資料としては変な水中写真とかよりも分かりやすい。あと魚だけでなくエビや貝なども載っているのが良いです。