モンスターデザインの基本となる2つ目の考え方は「置換(置き換え)」です。
さっそくどんな考え方なのかを見ていきましょう。(2013⁄10⁄18)
今回の考え方では、まずモンスターの元となる素材を1つ決めておき、
その素材の体の一部を、別の生物などが持つパーツと交換します。
例えばゾウの鼻をヘビに変えたり、ゴリラの腕をサブマシンガンにしたりするのはこの考え方に当てはまります。
ちなみに前回の合体の考え方が全体的なのに対し、こちらは部分的な考え方になります。
どういうことかというと、合体では素材の全体からパーツを選んでモンスターを作る一方、
今回の置き換えでは素材の一部分を別の素材の一部と交換するからです。
したがって、素材が元々持っているイメージを丸ごと変更するのは難しいですが、
モンスターに持たせたいイメージを補強したり、パーツと全体の印象とでギャップを出してユニークさを狙うなど、
素材が持つ印象に味付けしたいときに向いている方法といえます。
それでは、置き換えの具体例をご紹介します。
これは可愛いウサギさんに置き換えを適用し、
ちょっと怖そうなモンスターにした例です。
置き換えを行ったパーツは次の二箇所になります。
今回は置き換えの前後でギャップを出したかったので、
可愛らしさを与える部分を不気味なパーツに交換してみました。
たったこれだけで随分イメージが変わったのがお分かりいただけると思います。
ただし見た目が多少変わっても元がウサギなので、
その可愛らしさが置き換えたパーツの不気味さを程よく中和してくれています。
今度はラクダに置き換えを適用した場合の作例です。
この例ではラクダは暑いところに住んでいるということを考えて、
逆に寒そうな印象を与えるものに置き換えてユニークさを出しています。
置き換えを行った部分は次のとおりです。
ラクダの場合、コブはとてもインパクトのある特徴なので、
見た目が良く似ていて、かつ目的のイメージに合うようなものに置き換えたのがポイントです。
また、毛のほうは凍ったらツララみたいになるだろう、という発想から
この置き換えを考えました。
こんな風に、あらかじめ素材と置き換え後のイメージを決めておけば、
少し変更を加えるだけで新しいモンスターを考えることができます。
以上、長々と書いてきたのでまとめておきましょう。
それでは今回も練習問題を出題しておきますので、
余力のある方はチャレンジしてみてください。
ゾウの体の一部を置き換えてオリジナルのモンスターを考えてください。
次は「変形」についてお話します。