モンスターを描こう!:モンスターの描き方・考え方講座

趣味で「自己満足」できることの大切さ

突然ですが、もしあなたが友達に「お前は趣味やってるけど、自己満足だよな」とか言われたらどう思いますか?おそらくショックでしょう。そして何の迷いもなくぶん殴るかもしれません。

このように「自己満足」というと否定的なイメージの言葉ですが、私は自己満足すること自体は必ずしも悪いものではないと考えています。もちろん仕事なら論外だとしても、趣味の場合は自己満足できる人のほうが楽しめると思います。そういった意味で、今回は自己満足できることの大切さについて私が気付いたことを書きます。

自己満足する、とはどういうことか

普段私たちが「自己満足」という言葉を使うときは、「他人を満足させるほどのことをしたわけでもないのに、自分は満足している」という意味で使うことが多いですよね。ただ、下線の部分は否定的な場面で使った時に付加される意味なので、仮に否定的じゃない場合(?)に使うなら

他人にどう思われるかに関わらず、
自分のやっていることに満足している状態

という意味になります。

で、今回着目したいのはまさにこの意味での自己満足です。つまり、自分で「やってて楽しい」「いい作品が出来たな」と思ったらそれで満足できる。そういうのが趣味において大切だと思うのです。

自己満足できないと起こる問題

では、自己満足できないとどうなるのか?この辺については「絵を描いていて虚無感に襲われた時の対処法」(親サイトの記事です)のほうでも書きましたが、要するに自己満足できない人は他人に認めてもらえないと満足できないわけです。で、これの何が問題なのかと言えば、もし自分が本当にやりたいことが相手に認められにくい場合は全然満足できなくなってしまう、ということなのです。

ちょっと分かりづらいので例を出しましょう。次のような場合について考えてみます。

  • W君:ギザギザしたデザインを描くのが好き。この絵柄で他の人に認められたいと思っている。
  • 世間一般:丸っこいデザインが流行している。

この場合、W君が描きたいと思って描いた絵は流行に合わないのでなかなか認めてもらえません。W君としては認めてもらいたいのにそうしてもらえないので不満ですね。じゃあ、ということで流行に合わせれば認めてもらいやすいかもしれませんが、そうすると描きたいものが描けないので結局満足できません。…もしこういう状態が続いてしまったら、W君は絵を描くのをやめてしまうかもしれませんね。

もちろん、例外として作り手と受け手の好みが一致していれば上手くいくでしょう。しかし上の例のように両者の好みが食い違う場合、自己満足できない作り手は創作を辞めてしまう危険が高くなると思います。

自己満足感を得るためにはどうするのか

まずは自分のやっていることに自分で満足できるにする、すなわち「やりたいようにやる」ことが一番の解決策かなと思います。趣味なんだから他人に評価されてもされなくても構わない、それよりもまずは自分が楽しめるようなこと思い切りをやるんだと割り切ってみるのが大切です。

あとは理想を高く設定しすぎないのも重要ですね。特に巨匠の作品にあこがれて創作を始めた人は、いきなり「ベクシンスキーみたいな絵を描くぞ!」というような曖昧で具体性のない目標を立てるのはやめにして、現実的でより具体的なものを作る楽しさを知ることから始めるのが第一と思います。

「向上心のある自己満足」は最高のエネルギー源

さて、ここまで自己満足は悪くはないということを書いてきましたが、例えば全く進歩がないのに満足している、というのではもったいないですね。もちろん楽しければ現状に満足するのも悪くはありませんが、向上心を持っていれば「上達のために努力する→上達する→満足量が増える→もっとやりたくなる」という好循環でもっと多くの満足感を得ることができます。そういった意味で、適度な向上心を持って取り組むのもまた楽しさにつながるんじゃないかなと思います。

おわりに…「モンスターを描こう!」も自己満足の塊だ!

こんなことを書いてしまうと身もふたもないのですが(笑)このサイトも「講座」といういかにも他の方のために作っているような体裁でいながら、実際は私の自己満足の上に成り立っているのです。だって、誰も作らないようなサイトを作るのは楽しいですし、説明のための文章を推敲したり、これまでの経験をうまくまとめたりするのも自分でやっていて楽しい。だから、時間も労力も割いてこうして書いているわけです。

もちろん、そういった結果としてこのサイトを見てくださっている方の役に立てばうれしいですし、そうなるように努力していますが、実際に役に立つかどうかは私が判断できることではないのでこれは作る際の楽しさには関係ありません。

…というか、さらに本音を言えば、今まで書いてきた内容を自分で見返して「これ、きっと誰かの役に立ってるんだろうな~ぐへへへ」とか思っているときが一番幸せだったりします。