最近、私がイラストを描くときによく使っているやり方に「グリザイユ画法」(※呼び方は色々です)というものがあります。特に厚塗りをするときに威力を発揮する方法で、色塗りがお手軽になるのでここで簡単に紹介しておきます。
一言で説明すると、「最初にグレースケールで陰影をつけてしまい、その後にオーバーレイなどで色を付ける」塗り方です(普通はカラーで陰影をつけながら塗る)。最初に陰影をつけるというのがポイントで、色に気をとられずに描き込めるので全体のコントラストを調整しやすいのが特徴。普通に塗ると上手く塗れないという方にもお勧めできる方法です。
言葉で説明してもいまいち分かりづらいので、モンスターイラストの制作過程を通してグリザイユ画法の具体的なやり方を説明します(以下、Photoshopで作業しています)。題材は無限を象徴するドラゴンのウロボロスです。
まずは普通に線画を描きます(背景の下地も塗っておきます)。線画は後で塗りつぶすのでラフに描いてあります。カラーモードはグレーにしておいてください。
暗さが中間より少し明るいグレーで線画の下を塗りつぶします。
黒に近いグレーでザックリと陰をつけます。
一旦レイヤーを統合して、その上からさらに陰を塗り重ねます。もう線画はいらないので塗りつぶしてしまいます。
陰を滑らかにして、鱗など細かい部分を描き込みました。
カラーモードをRGBカラーに変更し、クリッピングマスクした新しいレイヤーをモンスターのベース色で塗りつぶします。このレイヤーのモードは「オーバーレイ」に設定してください(ここがポイント)。
先ほどのオーバーレイレイヤーにぼかした半透明ブラシで色を加えます。陰には青系の暗い色を、ハイライトには黄色系の明るい色を加えました。ここではレイヤーをさらに追加して塗り重ねることもあります。後は微調整すれば完成です。
以上、グリザイユ画法についての説明でした。便利な塗り方なので興味のある方はぜひ試してみてください。